エコロジーふとん専門ネットショップ グッスリー
2008/11/26
「食べる」で思う
 「食べる」を辞書で引くと、一つ目が「食物を噛んでのみ込む」 と書かれている。
 小さい頃から柔らかな食べ物を食べる事が増え、よく噛まないで呑み込む人が増えた。
 そのうち、食べるは”呑む”と同義語になるかもしれない。(究極の流動状エネルギーである酒呑みには言われたくないだろうが)

 さて、殆どの動物は、「食べる」ことに日常行動の大部分を費やしていると言っても過言では無い。
 動物は、エネルギー源である食物を摂り続けないと生命を維持する事が出来ないのであるから、当たり前と言えば当たり前である。

 人間様の場合、1ヶ月位は水だけで過ごせそうな備蓄に富んだ体型の人ほど、何故かたくさん「食べる」という奇妙な現象に頻繁に遭遇する事が出来る。まことに不可思議な生物である。

 もう一つの「食べる」の意味は「暮らしを立てる」とある。
 「食べていくために頑張る」などと言う場合がこれにあたる。
つまり、「食べる」≒「生活する」≒「働く」
という事である
 「働かなければ食えない」のが通常である。
(働かないで生活したい・・・という庶民のはかない”夢”はジャンボ宝くじやロト6へと走らせるのである)

 あえて”通常”と書いたのは、ワーキングプア、ネットカフェ難民、ホームレス、ニート、引きこもり・・・と世の中は何とも大変な事になっているからである。
 「働かざるもの食うべからず」という精神論だけでは済みそうもない時代なのである。
 これでは「衣食足りて礼節を知る」以前の問題である。
(最近では、”衣食足りて、礼節を忘れる”と思われる人の多い事に驚く)

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 つい半世紀ほど前まで、数千年にわたって常に腹をすかしていた大和民族にとって、食べ物は最大の生活の関心事であり、
 「食べる」≒「生活する」という意味となったに違いない。

 英語でいう”生活する”は”Live”であり、”Live”は”住む”という動詞でもある。
 彼らにとって生活する最大の関心事は住まいだったのかもしれない。
 ハンバーガーとポテトとコーラの超偏食漬けの彼らが、あこがれのマイホームブームに興じた結果が世界同時不況の原因になった事を思うと、何かの関連があるに違いないと感じてしまうのである。

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 メタミドホス、マラカイトーグリーン、ジクロルボス、メラミン、トルエン、パラチオン、ジエチレングリコール、ホルムアルデヒド、エトプロホス、プロファム、ベタメタゾン、亜硝酸塩・・・


           UP

 中国のおかげ?で、随分と化学薬品や農薬の名前に明るくなった。
 中国が根本的に何も変わらなければ、そんなに時間のかからない内に、あと10個くらいの薬品名を覚えてしまうかもしれない。
 「食は中国にあり」と言われるが、ぱっと思いつく中華料理名より、これら薬品名の方が多くなるかもしれない。
(ちなみに数えてみた。チャーハン・餃子・タンタン麺・マーボー豆腐・・・
 北京ダックとかフカヒレの姿煮などは全く頭に浮かばないのが少しさみしい)

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 さて、中国などから輸入された汚染食品の大半は、加工食品である。
 冷凍食品・冷凍野菜・菓子・養殖魚が主なものである。

 日本の食料自給率は約40%、社員食堂・学食・ファミレス・ファストフード・居酒屋・コンビニ弁当などなど外食産業に使われる多くの食材は加工食品である。
 「中国製はいや!」と言っても、外食の比率が高いと嫌でも口に入ってくる事となる。

 そんな事なんて気にしないで生きるか、気にして生きるか人によって大きく異なる。

 こんなコラムを書いている几帳面なB型の私は、前者の方である。
 私の場合、神経質に食材を厳選した食生活をするより、二日酔い・三日酔い生活を改善した方が、余程身体に良いのである。

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 浜松医科大と三菱化学生命科学研究所でのラットによる実験結果が発表されている。
 それによると、1ヶ月間、自由に餌を食べさせたラットと摂取カロリーを3割減らしたやせ気味ラットを比べると、遺伝子を修復するたんぱく質「WRN」がやせ気味ラットの方が約3倍多く、長寿に関するたんぱく質「SIRT1」も約3倍増えて長生きするのである。

 腹7分目は、あこがれのダイエットの成功に繋がるだけではなく、腹一杯食べる人とくらべると有害化学物質の摂取量も半分ほどになり、おまけに食費も安くなり、老化の進行も遅く、元気に長生き出来る可能性も高くなるのである。
 日本中そうしてくれると、メタボ検診も無くなり自給率はいきなり70%位になるかもしれないのである。

 ちなみに私は、ひどく小食である。一日食べた分を全部仮に前に並べてみたら、我ながらびっくりする程少ないと思われる日も少なからずある。
 夜など全くというほど米は口にしない。
知り合いの稲作農家に皮肉を言われるといつもこう言う。
 「産業と雇用を守るため、わざわざ米を酒や焼酎に加工したものを口に入れた上、酒税まで払っているのだ」
 酒飲みの屁理屈には限りが無いのである。


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