エコロジーふとん専門ネットショップ グッスリー
2004/03/29
今なぜ?・・・『消費税総額表示』
こんなのありシリーズはちょっとお休みして、今回は久々の社会ネタです。前回までとは全然中身が違います!(たまには本筋?に戻さないと・・・)

4月1日から、消費税の総額表示方式が小売業界に義務付けられた。

今まで一部の業種を除いて、日本では殆どの小売業界で、外税方式(税抜価格)が浸透していた。
100円の商品をレジで精算すると、消費税が5%かかって105円支払うのが外税方式だ。
ちなみに最初から105円と消費税込みの価格を表示するのが内税方式(税込価格)である。
(未だに消費税は嫌いだからまけれ!って言うお客さんがいる。 ・・・私だって好き好んで取ってるんじゃないんだぞ〜!!)

平成元年4月、3%で始まった消費税であるが、外税・内税どちらでも良かったので、そのうち税率が上がると読んだ経営者も多く、外税方式が浸透していった。
内税方式では、たとえば100円の商品の場合、税率が上がるたびに、5%なら105円、8%なら108円と値札もカタログもみんな変更しなきゃならない。
 (ゴミも増え、環境にも悪いではないかぁ!・・・
   一応エコロジーサイトです。忘れてたぁ?)

それに比べレジで税金を加算する外税方式では、そんな手間やコストも省け、お客さんにとっても税額がはっきりと分かるため、多くの業種で選ばれたのでした。
案の定、平成9年に税率が5%になったが、その時はレジなら税率設定を3%から5%に変更するだけでOKだったし、カタログなどもそのまま使えた。
ただ、パソコンの販売ソフトやPOSレジなどは、さすがにシステム変更を余儀なくされましたが・・・
(ちなみに我社のPOSシステムは私の手作りです。 この前、カミさんが息子達に手作りのヨーグルトを食べさせようとしたら「手作りが、何でも最高と思ったら大間違い!」と言われていました。
         ・・・ちょっと納得!?)

さて、今回法律で強制される総額表示方式とは、消費者が目にする値札・店内表示・チラシ・カタログ・広告・ポスター・レシート・納品書・TV・ネット関連・・・・等々をぜ〜んぶ内税表示にすれ!という何とも強引な法律である。
 この法律、国会でイラク問題等でもめている真最中に、政府の陰謀で、他のこまごまとした法案と共に、み〜んな知らない内にあっさり可決されてしまったのである。(野党も反対した様子が無い!)

 そもそも、お上に代わって消費税の徴収をコストと手間をかけてボランティアでさせられている小売業者に、更なるコストを掛けろという法律を通すのに、一体誰に相談したのであろう。
 (少なくても私には来なかった。来る訳無い?)

何を今更総額表示!である。
その理由を財務省は、2つ説明している。

外税では、レジでいくら払うか分かりずらい
税抜・税込が混在していると価格を比較しずらい

への反論。
世界屈指の計算力を有する日本民族の能力を、財務省のお役人はご存知無いのであろうか?
980円の買い物をするのに、小銭を減らすために1080円をレジに出すと、当たり前のように、100円のおつりをくれる日本である。
海外では、1000円で足りるのに、なぜ更に80円を出すのか分からない国も少なく無い。
 じゃあ、100歩譲って、内税が分かりやすいと言い張るのであれば、下記のスーパーでの買い物合計を、暗算してみましょう。

    1.大根      98円×1(税込)
    2.たまご    178円×3(税込)
    3.牛乳     208円×2(税込)
    4.缶ビール 4188円×1(税込)
    5.豚肉     548円×2(税込)
      
どうです。総額表示だからすぐに払う金額計算出来たでしょうか?財務省のエリート役人さんは即答出来るんでしょうが、私にはたった5品目ですが全く無理です。  (いばって、どうする!)
実際にスーパーに買い物に行ったらこんなもんじゃ済まないぞ〜 お役人さん。

への反論。
今まで、外税の業種が圧倒的に多い上、同じ業種は税表示方式が統一されいる場合が殆どだ。
税抜・税込が混在していて価格を比較しずらいケースが、一体どれ程あると言うのであろう。
 無理して考えてみると、スーパーで税抜100円で売っているキャベツと、近所の八百屋で売っている税込98円のキャベツ どっちが安いでしょう?

           UP

 せいぜい、これぐらいのケースしか考えらない。
でも、これ位なら分かるよね〜?
こんな限られたケースのために全業種総額表示義務の理由にするのには、かなりの無理がある。
(っていうかぁ、キャベツの大きさや品質の違いはどうしてくれる! 税抜・税込以前の問題だ!?)

海外では内税が主流である。
それは、日本と異なり贅沢品には高率税を、食料品や子育て用品・福祉用品には低率税や非課税などと、複数の税率が混在している場合が殆どであるからである。
(私はぜひ日本のビールの酒税を低率にして欲しい・・・消費税と関係無いって?)

日本は、現在一律5%で導入後16年目を迎えようとし、国民も外税に慣れている今、なぜあえて総額表示を義務づけるのであろうか。
 せめて、総額表示を義務づけるなら、次の税率アップ時に導入すれば良く、税率が変わらない今年にあえて小売業界全体に莫大なコストと手間を掛けさせて行う根拠が見つからない。
 国の財政を考えると数年後には消費税を上げざるを得ないと言われている。
その時には、今年強制される総額表示により、改めてコストと手間が費やされる。

 これは、近々税率を上げざるをえない消費税を今の内に、内税を強制させておいて、税率アップ時に消費者の目から、高額になった税額を隠そうという魂胆が見え隠れしてしょうがない。
  (やっぱり、私はひねくれてるんだろうか?)

 今、日本は物価・所得の下落というデフレからの脱却が政府の重大テーマの一つである。
が、皮肉にもこの総額表示の強制でデフレが進みそうだ。

今まで店頭で9800円(税別)だった商品をレジに持って行くと10290円になった。
しかし総額表示だと、店頭表示が10290円(税込)としなければならない。
 結局同じ支払い額だが、10290円表示だと高く感じる。消費者の微妙な心理がうかがわれる。
だから198円、2980円などのいわゆる8(パー)つき価格で割安感を出すのが小売業の常套手段である。

 ちなみに財務省の総額表示の手引きの表示例
財務省 総額表示の表示例
 消費者心理も経営感覚もあったものでは無い!

そこで大手スーパーなどでは、多くの商品を、税込980円、税込198円などと実質5%値下げした。

消費者の皆さんには値下げは、大いに結構な事と感じられるが、激しい値下げ合戦の中での消耗戦が続く流通業界では、更なるリストラや淘汰と共に、経済への影響も懸念されるのである。

で、たかだか消費税の総額表示でダラダラといっぱい書いてしまったが
    結局面倒臭いだけだろ!って?
・・・・・その通りである。(こんなにいっぱい書く暇あったら、値札の1枚でも書けって?)


今回のオマケ

 春休みで帰宅中の長男が、2ヶ月もある夏休み中に本州へぶらっと旅行に行きたいと言ってきた。もうすぐ二十歳の学生である。
「親のすねをかじっている分際で、贅沢旅行なんて10年早い! 行くなら学生ならではの貧乏旅行だ!」と私。

 去年免許を取っているので、殆ど車庫に入ったまま使われていないジイさんの車を借りて、何枚かの毛布でも積んで出かければ良い。もちろん付き合ってくれる親友でもいれば更に楽しいぞと提案。

で、私の話が始まった。
「まず、函館まで行って、本州までの最短フェリーである大間行きに乗れ。下北半島を廻って青森だ。東北は温泉だらけだから、どっかで温泉もいいよなぁ〜。
十和田湖に廻って、盛岡に行くと冷麺もあるし、わんこ蕎麦も話のたね位にはなる・・・・」
 と話が山形まで行く前に、息子に「もう、いい!」と言われてしまった。
 「どうして?」と聞くと、「その話、沖縄まで続きそうだから」だって・・・・・
        確かにその通り。


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