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2003/04/28
嗚呼、ゴールデン・ウィーク
 世の中、ゴールデン・ウィークである。
いつ頃から誰が命名し定着したのか記憶に無いが、私のご幼少の頃には既にそう言われていた。
当然和製英語で外国では通用しない。しかも和製英語なのにご丁寧な事に”黄金週間”なんて訳したりする変な国である。
そこで、ゴールデン・ウィークの歴史を少し紐解いてみよう。

昭和23年(1948年)の祝日法(正式には 国民の祝日に関する法律)で4月29日が天皇誕生日(当然昭和天皇)、5月3日が憲法記念日に制定された。
3年後の昭和26年(1951年)に5月5日子供の日が制定され現在のゴールデン・ウィークの原型が出来上がる。今から半世紀以上も前である。
もし現在、5月5日の”端午の節句” と 3月3日の”桃の節句”のどちらを”子供の日”にするか?
なんて事になったら大騒ぎになる事であろう。
政府が「端午の節句 5月5日を子供の日にします!」何て言ったものなら、間違いなく収拾がつかなくなるだろう。
仕方が無いので、間を取って4月4日じゃあオカマの日?になってしまうし、足して8月8日じゃ夏休み中になってしまう。
いっその事、引いて2月2日はどうだ!
        (引いてどうする!)
 
 それから四半世紀が過ぎた昭和53年(1978年)に日曜日と祝日が重なると月曜日が振替え休日になる事に。
今では当たり前だが、当時はすごく得した気分になった人が多かった。勤勉と言われた日本人も”やっぱり仕事や勉強をしないで済む事に越したこたぁ無い”と思うのが本音である。
それから更に四半世紀を過ぎた現在、仕事をしたくても見つからないし、子供たちは休みが増えすぎて「する事が無い!」と嘆く時代になってしまった。何とも複雑な心境である。

昭和61年(1986年)からは祝日に挟まれた平日は国民の休日とする事となり、5月3・4・5日の3連休が保障された。
でも、よくよく考えるとこれに該当するのは5月4日しか無い。それならそんな回りくどい法律にするより、5月4日を祝日にしてしまえば良かったと思うのは私だけだろうか。
ちなみに各種記念日が数々あるが、5月4日は”ラムネの日”である。そのまま祝日名は”ラムネの日”で決まりである。
ラムネを飲みながらちまきを食べて、日本国憲法を考える3日間になっていたかもしれない!?
          (やっぱ無いか)

その後、昭和天皇の崩御で心配された4月29日は”みどりの日”として残り現在に至っている。
こんな事を言ったら怒られるかもしれないが、今後も新天皇に皇位が継承されるたびに祝日が増え続けるのだろうか?
参考ではあるが、皇太子殿下は、通った学校がちょっとだけ違うが、私と同級生である。
       (それがどうしたって?)
ちなみに皇太子殿下の誕生日は2月23日のうお座生まれで血液型不明。遠くない将来2月に”建国記念の日”の他に祝日が増える可能性大である。
      (やっぱり怒られそうだ!)

以上がゴールデン・ウィークの大きな流れであるが、行政主導の週40時間労働の週休2日制による土曜休みが大きく浸透した事もあり、ゴールデン・ウィークが10連休以上の企業も出現するようになったのであります。
 
           UP

 さて、改めて言うまでも無いが、このゴールデンウィークは祝日法、つまり国家により作られたものである。
高度成長期からバブル期と、とかく働きすぎと諸外国から叩かれた日本政府は、この大型連休の導入により休日を増やし、旅行やレジャー、ショッピングなどによる経済効果を期待したのであった。
 企業も労働者も自由な休暇など考えられないこの日本民族は、国の政策にまんまと乗せられ、盆・正月と並ぶ第3の民族大移動を行うハメとなったのでありました。

 さて、その最大の被害者は言わずと知れた”お父さん”でありました。
盆・正月と、奥サマの実家に深夜の渋滞ドライブによる帰郷を年に2度も強行させられているのに、ゴールデンウィークには子供たちが喜ぶレジャーランドや、奥サマが喜ぶ観光地や温泉などに連れて行く事となったお父さんが数知れず・・・。
心身を休めるハズだった休暇は、金銭を使う疲労困憊の休暇となったのであります。
しかし、政府の目論見通りかなりの経済効果を生んでいるのは事実であります。


 休暇の”暇”は”休む”とか”ひま”の意味である。つまり休暇とは”だら〜っとひまにとにかく休む”ことである。
その点において欧米人のバカンス休暇などは文字通りの休暇である。が本当の休暇を知らない日本民族は何かに駆り立てられるようにあっちこっちに出かけてしまうのである。
 
 オートキャンプ場などに連泊してみると判るが、周りのキャンパーは殆ど毎日入れ替わる。あんなに立派な道具を沢山運んできて1泊でいなくなってしてしまう人々の多いこと。
「もうちょっとじっとしろ!」って言ってやりたい。
長距離運転の後、やっとやっと建てたテントを僅か半日後に撤収している。
しかも荷物運び、炭熾し、飯ごう炊き、花火の準備までお父さんがメインだ。
そこまでやっても「あんたは、何やっても不器用なんだから!」と奥サマに言われている光景を目にする。何とも浮かばれないのである。

 これだから長期滞在を当て込んだ大型リゾートが日本では成功しないのである。
霞ヶ関のお役人が机上で作り上げた”リゾート法”に乗った巨大プロジェクトの殆どが破綻してしまったのは布団屋のオヤジでも分かるのである。
(法案作るために霞ヶ関で徹夜しているようじゃ世の中分かんないのよ!何だったら一杯やる?)

反面、一日では決して廻りきれないTDL東京ディズニーランドは毎年巨額の資金を投入しながら、常にリニューアルをしている。テーマパークでTDLだけが一人勝ちしているのも”新し物好きで、じっとしていられない”日本民族の特有の気質から来るものに他ならないである。


 所で、今年の我が家のゴールデンウィークはどうするかと言うと、典型的日本人としての嵐のように駆け抜ける行楽はこの際止めて、欧米人並にゆったりと南の国で本当のリゾートを楽しもうとも思いましたが、あいにくこわ〜い肺の病が流行っているので、不本意ながら何処にも出かけない事にいたしました。
 (最初から何処にも行く気が無いだろうって?)


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