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2003/01/28
冠婚葬祭を考える
 ”冠婚葬祭”を広辞苑で引くと
『古代の四大礼式。元服(=冠)と婚礼(=婚)と葬儀(=葬)と祖先の祭祀(=祭)のこと。』とある。
何とも広辞苑らしい簡潔明快な説明である。古代とあるが、何が何が現代日本でも十分日常生活の中で重要な行事?として生き続けている。

 元服は現在成人式に変わり、ここ数年は”暴れる成人式”がニュースになっている。今年の成人式でどこかの市長が何も事件が起こらず無事成人式を終えて、感無量に「みんな、やれば出来るんです」なんて涙ながらにインタビューに答えていたのを  テレビで見た。 もうこれは4,5歳の子供が立派にお遊戯会を終えて感極まった幼稚園の先生の心中と殆ど同じである。
まぁ、親が用意してくれた綺麗なオベベで着飾っている所など、やっぱり同じかもしれないが・・・

どうして20歳になってもここまで幼稚なのが多いのか?とお嘆きの声が聞こえてくる。
 そもそも大人の仲間入りと思うから腹が立つのであって、世界一の長寿命国である現在の日本では25歳以下は子供と思えば腹も立たないという至極まっとうな意見もございます。 
どちらにしても税金を投入して行政が主体で行う成人式という行事は、もうそろそろ考え時かと思うのです。
彼らだって本当に市町村長などのお偉い方々のご祝辞を賜りたくて参加しているのだろうか?

 ちなみに、遠き昔の私の成人式に、自分は何をしていたか、記念品がなんだったか何て、これぽっちも覚えちゃいません。(自慢してどうする!) 
何だ!しっかりオマエも出ているじゃないか!と言われそうですが・・・

そう言えば、当時なぜかある親友と共に成人式の実行委員に選ばれまして、最初の顔合わせ会議には出ましたが、何ともかったるくてそれ以降を全部スッポかした事だけは覚えております。
当時の実行委員さん、この場をお借りしてお詫び申し上げます。 (と言ってもほかの実行委員さんを誰一人覚えていませんが・・・ダメダこりゃ)


先日、永六輔がラジオでこんな話をしていた。
あるお葬式にお参りにいって、長いお経を聞いている間、暖房の無いお寺で非常に寒い目に合ったそうである。
 それが随分と辛かったようで、例の口調で
「お経なんて漢文を音読みするだけで、その意味を理解出来る人はほとんどいないと思うのです。ですからお経の開始と共にご焼香を始めればいいんです。そしてご焼香が済んだ人から順次お引取りをいただくのが良いと思うのです」というような事を言っていた。
永六輔といえば浅草のお寺で生まれた方であるが、なるほどと思った次第である。
なかなか地域の慣習を打破出来ない日本人。
私も、もっといろんな形のお葬式があっても良いと思うのであります。


 正月明け早々、カミさんと夕食(&晩酌)をとりながら雑談をしていて随分と盛り上がった話である。

「今日伺ったお宅の階段は、狭くて回り階段になっているから、オジイさんが無くなった時、棺桶を出すのに物凄く大変だったんだって」

「ヘェ。そうだよなぁ。病院から戻ってくる時は負ぶってでも運べるけど、出す時には棺桶入りだから、ヘタに運んで飛び出ても困るしなぁ〜」

「今度、おばあちゃんの時は直接お寺に運ぶかもしれないって奥さんが言ってたわよ」

「所でウチの客間に通じる奥の階段も随分狭いから、オレにもしもの事があったら枕経は客間では無理だな」
「手前の階段の方が広いから、一番近いのが寝室だから枕経にはそこが一番かもね」

「そうだな、こっちの階段なら広くてまっすぐだから、棺桶も出しやすい」




            UP
「それより、オレの葬式はお寺じゃなくてもいいなぁ。お葬式というより、お別れの酒宴の方が向いているな」

「そんな事言ったて、葬儀は残された者がするものだから、なかなか故人の思った通りにはならないのよ」

「それじゃ、遺言でも書いておくかなぁ。 まず、
お通夜と告別式両方するのは参列者も準備する人も大変だから、どっちか一方でいいなぁ。
どちらかと言えば仕事の邪魔にならない夜の方が迷惑が少ないだろう。
お通夜じゃなくお別れの会にして、献花の一つもしてもらおうか。花の種類はいろいろあるけど、あんまり変わった花を注文しても花屋さんも困るだろうから、いつでも揃ってコストも安い白い菊の花でいいだろう。
時間の許す方には別室で私が嫌いじゃなかったお酒でも好きなだけ呑んでいただこう。
会場は自治会館でもいいけど、別室の宴会場を作るにはちょっと狭いので、某ホテルの会館Sなら最近殆ど使っていないようなので線香も使わないのだから貸してくれるだろう。冷暖房完備なので参列者も快適だ。H社長かT部長によろしく言ってくれ」

「わたしが、遺族を代表して挨拶してあげるわよ」

「それはいい。一般的な葬儀委員長の挨拶より盛り上がる」・・・・・


そこで私の『お別れの会』をシュミレートしてみた。

 まず、開会は午後7時。この方が商店街の人にも迷惑が少ない。
香典はご遠慮しますなんて言っても、この地方ではもってくる人が多いだろうから、いっそうのこと香典に代えて会費制なんてどうだろう。懇親会費?込みだ。
 (何だったらビンゴカードを付けても良い!)

そして正面に壇を作る。会議テーブルでもOKだ。シーツくらいは掛けていただく。
その中央に棺桶を置くが、棺桶丸見えも薄気味悪いだろうから適当に何かをあしらっていただく。
遺影は無くても良いと思ったが、子供の関係などで私をぜんぜん知らないのにお参りに来る方もいるだろうから、「こんなヤツが死んだんだぁ」と分かるように必要かもしれない。

 何しろ読経が無い訳だから、開会の言葉のあと直ぐにBGMをど〜んと流す。どんな曲が良いか非常に迷う所である。若かりし頃夢中で聞いたビートルズもいいし、S&Gもいいし、ビリー・ジョエルもいい・・・ただし演歌だけはやめていただきたい。『津軽海峡冬景色』なんてかけたら、みんな無口になって、凍えそうなカモメを見つめて泣かれてしまうかもしれない。

さて、BGMと共に献花を頂く。順不同で十分だ。宗教色無しだから、献花の時は手を合わせようと、柏手を打とうと、十字架を切ろうと、あかんべしようと自由である。

 続いて故人のプロフィール紹介だが、面倒くさければコピー刷りを受付で配布しておけば十分だ。そこで一番注意しなければならないのが、『故人は○○学校を優秀な成績で卒業され・・・』などに代表されるウソ八百は書かない事だ。
 そのあとは恒例?の花束贈呈である。我がまま亭主を支え続けたカミさんに『ご苦労さん』を込めて贈られる。

 そして最後にカミさんからの遺族代表のあいさつである。これがある面一番こわいが、死んでいるんだから心配しなくて良い。
このあと時間の許す限り懇親を深めていただく。
     ・・・・・な〜んてどうだろう?


そうそう、本年なぜかこんな私が自治会長である。ご町内の皆さん。 このコラムを読んだらさぞかし不安かもしれませんが、ご心配は無用です。
   やる時はちゃぁ〜んとやりますから。
           (本当かな〜?)

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