エコロジーふとん専門ネットショップ グッスリー
2002/09/05
エコロジーも考える? 『コンビニ編』
 几帳面なB型の性格が幸いしてか気がついたら、この格調高い?コラムも今回で10話目である。
振り返ると本業の事はもちろんエコロジーの事にも何にも触れていないではないか。
 そこでこのコラムとしては珍しくエコロジーについて考察してみる事とした。 
 と言う事で今回はマジに笑いはありません・・・?

 コンビニエンス=便利 という意味はご存知の通りだ。しかし何が便利なのであろうか。流行についていけないオジさんなどはやっと覚えたお気に入りの缶コーヒーなどを買おうとするなら大抵棚にはもう並んでいない。

なにしろコンビニではPOS(ポス)レジと呼ばれるコンピュータで どんな商品を・幾つ・何時何分・どんな人 が買っていったかを全て記録していて、コンビニ本部の分析で1週間単位で売れ行きの悪い商品はすぐさま無情にも棚から外され新商品と入れ替わる。一年たって棚に残っている商品は殆ど無いと言われている。

 余談ではあるが”どんな人 が買っているか”という事をどのように入力しているかというと至極原始的な方法で行われている。コンビニに行ってレジで支払いをするとき最後に店員さんが押す清算ボタンを良〜く見てみよう。

”〜29”とか”〜49”とかいうボタンが並んでいる場合が多い。たとえば赤い”〜29”のボタンを押されたとしたらあなたは20代の女性に、青いボタンの”〜49”を押されていたら30・40代の男性と判断された事となる。

 そこでコンビニヘ行って題して”コンビニ占い!”
        (そのマンマですが...)

40歳近いのに”〜29”を押されたあなた・・・
脳天気もいいかげんにしましょう。少しは周りの空気を読むクセを付けましょう。 

25歳なのに”〜49”を押されたあなた・・・
苦労は一人で抱え込む必要はありません。明るく生きていきましょう。長い人生いつかは良い事があります。...
 
 で、やっと本題に入るが、このコンビニは私に言わせると実にエコロジーでは無い業態だ。


 其の一 24時間営業
ごく一部のコンビニを除いて深夜帯は殆ど赤字だ。セブン・イレブンの名に残るように昔は朝7時から夜11時までの営業が画期的だった。(今の若い人は知らないか?)しかし20年程前からコンビニ競争が始まりサービス合戦の結果、24時間営業が当り前になってしまった。夜中の3時4時に買い物に来る僅かの客に一番高い時給を払うバイトを置き、明るすぎるとも言える程の照明を煌々と点けているんだから何とももったいない。

 其の二 大型壁面冷蔵庫
家庭の冷蔵庫にガラス窓は無い。何故かというと荒れ放題の冷蔵庫の中を他人に見られては困るからだ。と言うのは嘘で、ガラスというのは熱が逃げやすく、省電力で競い合っている家庭用冷蔵庫メーカーはそんものは死んでも使わないのだ。

 それに対して飲料水の並ぶコンビニのあの大きな壁面冷蔵庫は表側はもちろん裏側の補充用扉も全て中身の確認出来るガラス製である。つまり冷気は常にガラスを通して室内に漏れやすく、しかも頻繁に開け閉めされるため膨大なエネルギーを費やしているに違いない。特に冬は弁当や乳製品の並んだ冷蔵オープンケースから漏れる冷気と合わせて店内が冷えすぎるため、その分暖房を強くするためダブルでエネルギーを浪費している。





           UP
 其の三 弁当&おにぎり&惣菜
カウンターを猫が走っていくような食堂でも不思議と食中毒は起きない。何故なら出来たてを食べる。つまり食中毒菌が増殖する前に消化器官に入ってしまうからだ。
それに対して工場で大量に作るコンビニ弁当類はひとつ間違えば大規模な食中毒が起きてしまう。何しろ作ってから10数時間の消費期限が設けられている。

 で十分に加熱した作りたてをすぐさま冷却し冷蔵輸送でエネルギーを使って一日2度3度と遠くのコンビニまでトラックが小まめに配送する事で食中毒を防いでいる。もちろん店頭での陳列も大量のエネルギーを使う冷蔵オープンケースだ。そして食べる前に電子レンジでまたまたエネルギーを使う。

それでも完売されて食べられるのならまだしも大量の売れ残りが日本中のコンビニで毎日数百万食が処分されている。

 北海道などは道の駅などのパーキング・エリアの拡充でお昼時など数多くのトラックや営業車がエンジンを掛けっぱなしにしてエアコンを効かせながらコンビニ弁当を車内で取っている光景が非常に増えている。お陰で注文分だけをエコロジーに作ってくれた”ドライブ・イン”と呼ばれた食事処は殆ど姿を消してしまった。

 などなど、コンビニだけを悪者にするつもりは毛頭ないが、利便性の追求を優先するとこんな事になる。

そこで、コンビニの棚から外されたものとのっけからコンビニから相手にもされていない商品だけを揃えたアンチ・コンビニ店があってもいいのでは...

 とにかく不便とマイナー商品を売り物にする。
開店は日の出と共に、閉店は日の入りなんてどうだろう。お天とうさんと無縁の生活をしていると営業時間が分からない。  店員は妙に元気なおばあさんだ。レジはおばあさんの前掛けのポケットだ。缶飲料などぜったいに売らない。ビンのコーラにフルーツ牛乳はぜひとも置いてもらおう。駄菓子は量り売りだ。.....

何と昭和30年代のそこら辺にあった小さな食品雑貨店の姿ではないか。
便利さと効率だけに追い廻される現在、昭和30年代の大らかでエコロジーだった当時を懐かしむレトロブームが静かに起きているのも何だか分かるような気がする。


 さて、昨年びっくりする本当に便利なコンビニがあった。それは日本の最東端根室市での話である。
所用で行った根室、知人と共に夜になって宿に到着。一杯やろうと出たが、日曜日だったためかあいにく宿の周りの殆どの飲食店が休業。そこでコンビニでアルコールなどを買い込んで宿の部屋で酒盛りという事にした。

そこで地元資本のコンビニに入って目を疑った。
コンビニのカウンターの中で店員のお兄ちゃんが焼鳥を焼いているのだ。文字通り”もくもく”と・・・  さっそく串を注文したのは当然だ。呑んだくれオヤジには何とも便利ではないか。ついでにコップ酒なんか売ってくれたらもっと便利だ。

 コンビニのカウンターで焼鳥をさかなにコップ酒をチビチビ、不況話などをグチグチいいながら呑んでいるとカウンター内の兄さんが「お客さん、ちょっと呑みすぎですよ。もうそろそろのれんですから」なんて言われるコンビニ...
 
  って言うか、その前にのれんが無いか。


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